CSMA/CD、CSMA/CA
特徴
- CSMA(Carrier Sense Multiple Access)とは、伝送路中にキャリア信号を検出(Carrier Sense)し、データの送信を制御する方式のこと。(キャリア信号とは電気信号のこと)
- 複数のノードが伝送媒体を共有して送受信を行うネットワーク(多元接続:Multiple Access)においては、ほぼ同時に複数のノードがデータを送信することがあり、その場合、伝送路上でデータが衝突してしまう。この衝突に関する制御方式として、有線LANではCSMA/CD、無線LANではCSMA/CAがある。
- CSMA/CD(CSMA with Collision Detection)は、有線LANの伝送路上での衝突を検出(Collision Detection)が可能であることを利用した方式。衝突が発生した場合には、ランダムな時間を待って再送する。
- CSMA/CA(CSMA with Collision Avoidance)は、無線LANの伝送路上での衝突を検出することが困難であることを前提にしたデータ送信の方式
過去問
ネットワークスペシャリスト試験 令和3年度 春期 午前2 問5
ネットワークスペシャリスト試験 平成30年度 秋期 午後2 問2
【出典:ネットワークスペシャリスト試験 令和3年度 春期 午前2 問5(一部、加工あり)】
【出典:ネットワークスペシャリスト試験 平成30年度 秋期 午前2 問2(一部、加工あり)】
CSMA/CAやCSMA/CDのLANの制御に共通しているCSMA方式に関する記述として、適切なものはどれか。
- キャリア信号を検出し、データの送信を制御する。
→正解です。 - 送信権をもつメッセージ(トークン)を得た端末がデータを送信する。
→トークンパッシングに関する記述です。 - データ送信中に衝突が起こった場合は、直ちに再送を行う。
→CSMA/CD方式に関するもので、衝突検出後の再送は一定時間(ノードごとにランダムな時間)待ってからデータの送信を開始します。 - 伝送路が使用中でもデータの送信はできる。
→伝送路が使用中の場合には、データの送信は行わず待機します。
情報処理安全確保支援士・ネットワークスペシャリスト試験 令和元年度 秋期 午前1
【出典:情報処理安全確保支援士・ネットワークスペシャリスト試験 令和元年度 秋期 午前1 問10(一部、加工あり)】
イーサネットで使用されるメディアアクセス制御方式であるCSMA/CDに関する記述として、適切なものはどれか。
- それぞれのステーションがキャリア検知を行うとともに、送信データの衝突が起きた場合は再送する。
→正解です。 - タイムスロットと呼ばれる単位で分割して、同一周波数において複数の通信を可能にする。
→時分割多元接続(TDMA:Time Division Multiple Access)に関する記述です。 - データ送受信の開始時にデータ送受信のネゴシエーションとしてRTS/CTS方式を用い、受信の確認はACKを使用する。
→RTS(Request To Send)/CTS(Clear To Send)方式は、無線LANで使用されるCSMA/CAにおける送信権制御の一つです。データを送信したい端末は、アクセスポイントに対してRTSフレームを送信し、アクセスポイントからCTSフレームを受信するとデータを送信できます。 - 伝送路上にトークンを巡回させ、トークンを受け取った端末だけがデータを送信できる。
→トークンパッシング方式に関する記述です。