前方秘匿性
特徴
- 前方秘匿性とは、鍵交換プロトコルに要求される性質の一つで、鍵交換に使った秘密鍵が漏えいしたとしても、過去の暗号文は解読されないという性質のこと
- 暗号通信においては、過去に同じ鍵ペアを使った場合、過去のデータの安全性が脅かされることになるため、鍵交換プロトコルには前方秘匿性が要求される
- 具体的には、「データ暗号化の鍵から別の鍵を生成しない」「暗号鍵の基となる情報は使い捨てとする」などの性質がある
過去問
ネットワークスペシャリスト試験 令和3年度 春期 午前2 問18
【出典:ネットワークスペシャリスト試験 令和3年度 春期 午前2 問18(一部、加工あり)】
前方秘匿性(Forward Secrecy)の性質として、適切なものはどれか。
- 鍵交換に使った秘密鍵が漏えいしたとしても、過去の暗号文は解読されない。
→正解です。 - 時系列データをチェーンの形で結び、かつ、ネットワーク上の複数のノードで共有するので、データを改ざんできない。
→ブロックチェーンで構築された分散型台帳の性質の説明です。 - 対となる二つの鍵の片方の鍵で暗号化したデータは、もう片方の鍵でだけ復号できる。
→公開鍵暗号方式の性質の説明です。 - データに非可逆処理をして生成される固定長のハッシュ値からは、元のデータを推測できない。
→ハッシュ関数の原像計算困難性(一方向性)の説明です。