特徴
- DNS(Domain Name System)とは、インターネットなどIPネットワーク上でドメイン名(ホスト名)とIPアドレスの対応関係を管理し、提供するシステムのこと。
- ドメイン名の情報を管理し、問合せに応答するコンピュータがDNSサーバであり、DNSサーバに問合せを行う側のコンピュータがDNSクライアントまたはDNSリゾルバという。
- DNSサーバで、ドメイン名(ホスト名)などの名前(FQDN:Fully Qualified Domain Name 完全修飾ドメイン名)と対応するIPアドレスなどを登録する。
- 一つのホスト名に複数のIPアドレスを対応させることが可能で、この仕組みとして複数台のサーバに負荷分散する「DNSラウンドロビン」がある。
- 設定例
example.com. IN A xx.xx.xx.1
example.com. IN A xx.xx.xx.2
example.com. IN A xx.xx.xx.3
- 設定例
- 複数のホスト名に同一のIPアドレスを対応させることが可能で、Webサーバ、SMTPサーバなどを1台のサーバ内で運用したり、複数のドメインを運用するバーチャルホストを提供できる。
- 設定例
www.example.com. IN A xx.xx.xx.1
mail.example.com. IN A xx.xx.xx.1
ftp.example.com. IN A xx.xx.xx.1 - 設定例
www.example.com. IN A xx.xx.xx.1
mail.example.com. IN CNAME www.example.com.
ftp.example.com. IN CNAME www.example.com.
- 設定例
- DNS CAA(Certification Authority Authorization)とは、セキュリティ上効果のあるDNSレコードの一種で、不正なサーバ証明書の発行を防ぐ仕組み
- ドメインの管理者がDNSのCAAレコードを利用し、ドメイン名とサブドメインに対して証明書を発行できる認証局 (CA) を指定する
- 証明書発行を依頼された認証局 (CA) はドメイン及びサブドメインのCAAを確認し、証明書を発行できる認証局 (CA) が異なる場合は、証明書を発行せず、ドメイン管理者に誤った発行申請があったことを報告する
- DNSでは、様々な問合せを資源レコード(リソースレコード)で区別する
- SOA:ゾーンの管理情報
- A:ホストのIPアドレス(IPv4)
- NS:ネームサーバ
- CNAME:ホストの別名に対する正式名
- PTR:IPアドレスの逆引き用
- MX:メールサーバのホスト名
過去問
ネットワークスペシャリスト試験 令和4年度 春期 午前2 問5
【出典:ネットワークスペシャリスト試験 令和4年度 春期 午前2 問5(一部、加工あり)】
DNSにおいて、電子メールの送信だけに利用されるリソースレコードはどれか。
- MXレコード
→正解です。 - NSレコード
→ネームサーバを指定するリソースレコードです。 - PTRレコード
→IPアドレスの逆引きを行うためのレコードです。 - SOAレコード
→ゾーンの管理情報を指定するためのレコードです。
ネットワークスペシャリスト試験 令和3年度 春期 午前2 問9
ネットワークスペシャリスト試験 平成30年度 秋期 午前2 問7
【出典:ネットワークスペシャリスト試験 令和3年度 春期 午前2 問9(一部、加工あり)】
【出典:ネットワークスペシャリスト試験 平成30年度 秋期 午前2 問7(一部、加工あり)】
DNSでのホスト名とIPアドレスの対応付けに関する記述のうち、適切なものはどれか。
- 一つのホスト名に複数のIPアドレスを対応させることはできるが、複数のホスト名に同一のIPアドレスを対応させることはできない。
- 一つのホスト名に複数のIPアドレスを対応させることも、複数のホスト名に同一のIPアドレスを対応させることもできる。
→正解です。 - 複数のホスト名に同一のIPアドレスを対応させることはできるが、一つのホスト名に複数のIPアドレスを対応させることはできない。
- ホスト名とIPアドレスの対応は全て1対1である。
情報処理安全確保支援士試験 令和3年度 春期 午前2 問10
【出典:情報処理安全確保支援士試験 令和3年度 春期 午前2 問10(一部、加工あり)】
DNSにおいて、DNS CAA(Certification Authority Authorization)レコードを使うことによるセキュリティ上の効果はどれか。
- WebサイトにアクセスしたときのWebブラウザに鍵マークが表示されていれば当該サイトが安全であることを、利用者が確認できる。
→Webブラウザが提供する機能です。 - Webサイトにアクセスする際のURLを短縮することによって、利用者のURLの誤入力を防ぐ。
- 電子メールを受信するサーバでスパムメールと誤検知されないようにする。
→SPFレコードの効果です。 - 不正なサーバ証明書の発行を防ぐ。
→正解