無線LANの認証サーバの設置場所、無線LANからの不正アクセスに対する構成比較【情報処理安全確保支援士試験 令和元年度 秋期 午後2 問2 設問5】
情報処理安全確保支援士試験 令和元年度 秋期 午後2 問2 設問5
【出典:情報処理安全確保支援士試験 令和元年度 秋期 午後2 問2(一部、加工あり)】
【課題2の解決】
課題2の解決のため、今後は、APでの機器の認証方式として、WPA2エンタープライズ方式を採用することにした。同方式において必要となる認証サーバは、事務LAN用とセンサNET用をそれぞれ設置する。このうち、前者は全社で共用のサーバとし、システム部が管理する。後者はα工場が管理する。
事務LAN用、センサNET用の認証サーバはどこに設置するのが適切か。それぞれ図1中の(あ)、(い)及び図5中の(う)〜(か)から選び、記号で答えよ。:事務LAN用(い)、センサNET用(か)
APでの機器の認証を行う認証サーバは、APに接続した機器が認証前に通信することになるので、最小限の範囲内にいる必要があります。
事務LAN用の認証サーバは全社で共用のサーバとなるので、全社サーバLAN内に設置されるのが良さそうです。(インターネットからアクセスできるDMZ内に配置すべきではありません)
センサNET用の認証サーバは、センサNET内に設置されればいいでしょう。
APへの不正接続を考慮した場合、図5のネットワーク構成は図4に比べ、プロジェクトWの目的の達成の面で優れている。図5が優れていると考えられる点及びその理由について、FA端末から業務サーバにデータを安全に転送するための仕組みを導入しなかった場合を想定し、60字以内で具体的に述べよ。:事務LANとセンサNETはF-NETと分離されており、APに不正接続してもFA端末を攻撃できないから。
プロジェクトWの目的については、「プロジェクトWは、サイバー攻撃などによる生産設備の停止を防ぐことを目的とし、必要な施策を検討して実施する。例えば、A-NETで障害が発生しても生産設備の稼働を維持できるようにする。 」とあります。
ここで、生産設備については、図4の注記3と図5の注記1に「FA端末には生産設備が接続されている。当該生産設備の記載は省略している」とあるように、A-NETで障害が発生しても、FA端末経由で生産設備に影響を与えないことが必要です。
また、「FA端末から業務サーバにデータを安全に転送するための仕組み」とは、設問4にある「FW方式」「USBメモリ方式」「中継用PC方式」「データダイオード方式」など、図5のネットワーク構成を一部変更することを含む仕組みです。
これを導入しなかった場合を想定するとのことで、図5のネットワーク構成を前提にして考えます。
「APへの不正接続を考慮した場合」とのことで、APのあるネットワークとFA端末の接続性をポイントに図4と図5を比較します。
図4では、工場LAN内でAPとFA端末がL2SWを介して接続しているので、APに不正接続されるとFA端末が攻撃される可能性があります。
一方、図5では、FA端末があるF-NETは、APがある事務LANとセンサNETから分離されていて、APに不正接続されてもFA端末を攻撃することができないことが分かります。