【ネットワークスペシャリスト試験 令和3年度 春期 午後1 問1 No.3】

ネットワークスペシャリスト試験 令和3年度 春期 午後1 問1

【出典:ネットワークスペシャリスト試験 令和3年度 春期 午後1 問1(一部、加工あり)】

[構成管理の自動化]
Bさんは、③店舗から作業完了の連絡を受けた後で確認を行うために、LLDP(Link Layer Discovery Protocol)を用いてBP配下の接続構成を自動で把握することにした。RT、L2SW及び在庫管理端末は、必要なIFからOSI基本参照モデルの第(a)層プロトコルであるLLDPによって、隣接機器に自分の機器名やIFの情報を送信する。隣接機器は受信したLLDPの情報を、LLDP-MIBに保持する。
なお、全ての機器でLLDP-MED(LLDP Media Endpoint Discovery)を無効にしている。
運用管理サーバは、L2SWと在庫管理端末から(b)によってLLDP-MIBを取得して、L2SWと在庫管理端末のポート接続リストを作成する。さらに、運用管理サーバは、(c)が収集したRTのLLDP-MIBの情報をREST APIを使って取得して、ポート接続リストに加える。
ポート接続リストとは、(b)で情報を取得する対象の機器(以下、自機器という)のIFと、そこに接続される隣接機器のIFを組みにした表である。ある店舗で想定されるポート接続リストの例を、表1に示す。

Bさんは上司にネットワーク更改案を提案し、更改案が採用された。

a:2

RT、L2SW及び在庫管理端末は、必要なIFからOSI基本参照モデルの第(a)層プロトコルであるLLDPによって、隣接機器に自分の機器名やIFの情報を送信する。
LLDP(Link Layer Discovery Protocol)は、記述のとおり隣接機器に自分の機器名やIFの情報をやり取りするプロトコルで、Cisco機器を触ったことがあればCDPという機能が該当するものです。
Link Layerという意味からも第2層のデータリンク層であることが分かります。
また、隣接機器間でのやり取りであることからも第2層の機能となります。(ルータを介する通信であれば、第3層のネットワーク層の機能となる)

b:SNMP、c:RT管理コントローラ

運用管理サーバは、L2SWと在庫管理端末から(b)によってLLDP-MIBを取得して、L2SWと在庫管理端末のポート接続リストを作成する。
LLDP-MIBについては「隣接機器は受信したLLDPの情報を、LLDP-MIBに保持する。」とあるように、隣接機器から受信したLLDPの情報を格納したMIB情報です。
MIB情報の取得には、SNMP(Simple Network Management Protocol)を使います。

さらに、運用管理サーバは、(c)が収集したRTのLLDP-MIBの情報をREST APIを使って取得して、ポート接続リストに加える。
RTのLLDP-MIBを収集する機器を確認します。
それは、問題文の[新ネットワークの設計]に、「RTの設定及び管理は、C社データセンタ上のRT管理コントローラから行う。他の機器からは行うことができない。」とあるように、RT管理コントローラになります。

下線③について、情報システム部は、何がどのような状態であるという確認を行うか。25字以内で述べよ。ただし、機器などの物品は事前に検品され、初期不良や故障はないものとする。:各機器の接続構成が構成図どおりであること

Bさんは、③店舗から作業完了の連絡を受けた後で確認を行うために、LLDP(Link Layer Discovery Protocol)を用いてBP配下の接続構成を自動で把握することにした。
店舗での作業については、現状は「店舗が追加される際には、その都度、情報システム部の社員が現地に出向き、L2SWと在庫管理端末を設置している。」から、ネットワーク更改後は「店員は、送付された構成図を参照して各機器を接続し、電源を投入する。」とあるように、専門家ではない店員による各機器間の接続が行われることになり、接続ミスなどが懸念されます。
LLDPを用いてBP配下の接続構成が自動で把握できることで、各機器の接続構成が構成図と違っていないかを確認することができます。

図3において、情報システム部の管理外のL2SW機器(以下、L2SW-Xという)がL2SW01のIF2と在庫管理端末011のIF1の間に接続されたとき、表1はどのようになるか。適切なものを解答群の中から三つ選び、記号で答えよ。ここで、L2SW-XはLLDPが有効になっているが、管理用IPアドレスは情報システム部で把握していないものとする。また、接続の前後で行番号の順序に変更はないものとする。
ア 行番号3が削除される。
イ 行番号3の隣接機器名が変更される。
ウ 行番号5が削除される。
エ 行番号5の隣接機器名が変更される。
オ 自機器名L2SW-Xの行が存在する。
カ 隣接機器名L2SW-Xの行が存在する。
イ、エ、カ

管理外の機器であるL2SW-Xについて改めて確認すると、「LLDPが有効になっているが、管理用IPアドレスは情報システム部では把握していない」とあることから、L2SW-Xは、隣接機器に自分の機器名やIFの情報を送信しますが、運用管理サーバがSNMPでL2SW-XからのLLDP-MIB取得は行わないと考えられます。
その条件で、表1を見ていきます。
まず最初に、自機器名:L2SW01、自機器のIF名:「IF2」の隣接機器名がL2SW-Xになるということでしょう。(イ)
そして、自機器名:在庫管理端末011の隣接機器名もL2SW-Xにななります。(エ)
その他の解答群では、(カ)「隣接機器名L2SW-Xの行が存在する」も(イ)(エ)に相当します。
また、(オ)「自機器名L2SW-Xの行が存在する」は、SNMPでのL2SW-XのLLDP-MIB取得がないことから該当しません。