ネットワークスペシャリスト試験 令和4年度 春期 午後2 問2
【出典:ネットワークスペシャリスト試験 令和4年度 春期 午後2 問2(一部、加工あり)】
[監視の検討]
次に、Rさんが考えた、監視サーバによる図3中の機器の監視方法を表5に示す。
監視サーバは3種類の監視を行うことができる。ping監視は、監視サーバが監視対象の機器に対してICMPのエコー要求を送信し、一定時間以内に(キ)を受信するかどうかで、IPパケットの到達性があるかどうかを確認する。TCP接続監視では、監視サーバが監視対象の機器に対してSYNパケットを送信し、一定時間以内に(ク)パケットを受信するかどうかで、TCPで通信ができるかどうかを確認する。URL接続監視では、監視サーバが監視対象の機器に対してHTTP(ケ)メソッドでリソースを要求し、一定時間以内にリソースを取得できるかどうかでHTTPサーバが正常稼働しているかどうかを確認する。ping監視でWebAPコンテナの稼働状態を監視することはできない。⑧表5のように複数の監視を組み合わせることによって、監視サーバによる障害検知時に、監視対象の状態を推測することができる。
キ:エコー応答
「ping監視は、監視サーバが監視対象の機器に対してICMPのエコー要求を送信し、一定時間以内に(キ)を受信するかどうかで、IPパケットの到達性があるかどうかを確認する。」
pingでは、ICMPのエコー要求(Echo Request)を監視対象に送信し、監視対象から一定時間以内にエコー応答(Echo Reply)を受信することでIPパケットの到達性があるかどうかを確認できます。
ク:SYN/ACK
「TCP接続監視では、監視サーバが監視対象の機器に対してSYNパケットを送信し、一定時間以内に(ク)パケットを受信するかどうかで、TCPで通信ができるかどうかを確認する。」
TCP通信の開始時にやり取りさせる3ウェイハンドシェイクでは、通信元→通信先:「SYN」、通信元←通信先:「SYN/ACK」、通信元→通信先:「ACK」パケットを順に通信します。
ケ:GET
「URL接続監視では、監視サーバが監視対象の機器に対してHTTP(ケ)メソッドでリソースを要求し、一定時間以内にリソースを取得できるかどうかでHTTPサーバが正常稼働しているかどうかを確認する。」
HTTPでは、ブラウザなどクライアントからHTTPサーバに対しGETメソッドを送信し、指定されたリソースを取得します。
下線⑧について、表5中の項番2、項番4、項番7で障害検知し、それ以外は正常の場合、どこに障害が発生していると考えられるか。表5中の字句を用いて障害箇所を答えよ。:コンテナサーバa
「⑧表5のように複数の監視を組み合わせることによって、監視サーバによる障害検知時に、監視対象の状態を推測することができる。」
表5での障害検知箇所を、図3(WebAPコンテナの構成)で確認していきます。
項番2(コンテナサーバaへのping監視)で障害検知していて、コンテナサーバa内のWebAPコンテナ(AP0a)へのTCP接続(項番4)、URL接続(項番7)も障害検知していることから、障害箇所としてはコンテナサーバaが考えられます。
この場合、WebAPコンテナ(AP1a)へのTCP接続、URL接続も障害検知していると想定できます。
下線⑧について、表5中の項番4、項番7で障害検知し、それ以外は正常の場合、どこに障害が発生していると考えられるか。表5中の字句を用いて障害箇所を答えよ。:WebAPコンテナ(AP0a)
前問と異なり、項番2(コンテナサーバaへのping監視)は正常で、コンテナサーバa内のWebAPコンテナ(AP0a)へのTCP接続(項番4)、URL接続(項番7)が障害検知しています。
このことから障害箇所としてはWebAPコンテナ(AP0a)が考えられます。
この場合、WebAPコンテナ(AP1a)へのTCP接続、URL接続は正常であると想定できます。