ネットワークスペシャリスト試験 令和6年度 春期 午前Ⅱ 問1
【出典:ネットワークスペシャリスト試験 令和6年度 春期 午前Ⅱ(一部、加工あり)】
BGP-4におけるASに関する記述として、適切なものはどれか。
ア あるルータが作成したRouter-LSAが伝播するルータの集合である。
イ 接続されるルータの数、ブロードキャストやマルチキャストの使用の有無、トポロジ種別などによって区分けされたネットワーク群であり、Helloプロトコルによって隣接関係を確立する。
ウ 同一の管理ポリシーによって管理されるネットワーク群であり、2オクテット又は4オクテットのAS番号によって識別される。
エ リンクステート型の共通のプロトコルを使用して、ルーティング情報を相互に交換するルータの集合である。
この問題は、インターネットにおけるルーティングプロトコル BGP-4(Border Gateway Protocol Version 4) の理解を問うものです。選択肢は、各種ネットワーク概念やルーティングプロトコルに関する説明が混在しており、正しい知識が求められます。
ウ:同一の管理ポリシーによって管理されるネットワーク群であり、2オクテット又は4オクテットのAS番号によって識別される。
- AS(Autonomous System:自律システム) とは、インターネット上で一つの組織などにより一元的に管理されるネットワークの集合です。
- BGP-4 は、AS間で経路情報をやり取りするための 外部ゲートウェイプロトコル(EGP) です。
- ASは、AS番号(ASN) という識別子によって識別され、これは 2オクテット(16ビット) または 4オクテット(32ビット) で表現されます。
この番号を使って、AS間でどの経路を使って通信を行うかを制御します。 - 「ア あるルータが作成したRouter-LSAが伝播するルータの集合である。」
「Router-LSA」が出てくるのは OSPF(Open Shortest Path First) というリンクステート型の内部ルーティングプロトコル(IGP) に関する用語です。BGP-4とは関係がありません。 - 「イ 接続されるルータの数、ブロードキャストやマルチキャストの使用の有無、トポロジ種別などによって区分けされたネットワーク群であり、Helloプロトコルによって隣接関係を確立する。」
これはOSPFのエリアに関する説明です。HelloプロトコルもOSPFで使われる隣接関係確立の手法で、BGPには該当しません。 - 「エ リンクステート型の共通のプロトコルを使用して、ルーティング情報を相互に交換するルータの集合である。」
「リンクステート型」「共通のプロトコル」などもOSPFに該当する表現であり、BGPの特徴ではありません。BGPはパスベクタ型のプロトコルです。