ネットワークスペシャリスト試験 令和6年度 春期 午前Ⅱ 問4
【出典:ネットワークスペシャリスト試験 令和6年度 春期 午前Ⅱ(一部、加工あり)】
二つのルーティングプロトコルRIP-2とOSPFを比較したとき、OSPFだけに当てはまる特徴はどれか。
ア 可変長サブネットマスクに対応している。
イ リンク状態のデータベースを使用している。
ウ ルーティング情報の更新にマルチキャストを使用している。
エ ルーティング情報の更新を30秒ごとに行う。
この問題は、RIP-2(Routing Information Protocol version 2)とOSPF(Open Shortest Path First)という2つのルーティングプロトコルの特徴を比較し、OSPFだけに当てはまる特徴を問うものです。
イ リンク状態のデータベースを使用している。
- OSPFはリンクステート型ルーティングプロトコルで、ネットワーク全体のトポロジ情報を持つリンク状態データベース(LSDB)を使用します。
- RIP-2は距離ベクトル型ルーティングプロトコルで、隣接ルータからの情報だけを元に経路を決定します。
- 「ア 可変長サブネットマスクに対応している。」
RIP-1は対応していませんが、RIP-2はVLSM(可変長サブネットマスク)に対応しています。
OSPFもVLSMに対応しています。 - 「ウ ルーティング情報の更新にマルチキャストを使用している。」
RIP-2では、ルーティング情報の送信にマルチキャストアドレス224.0.0.9を使用します。
OSPFもマルチキャスト(224.0.0.5、224.0.0.6)を使います。 - 「エ ルーティング情報の更新を30秒ごとに行う。」
RIP-2では、30秒ごとに定期的にルーティング情報を送信します。(タイマー式)
OSPFはネットワーク構成に変化があった場合のみリンク状態を通知します。
特徴 | RIP-2 | OSPF |
---|---|---|
タイプ | 距離ベクトル型 | リンクステート型 |
VLSM対応 | 対応 | 対応 |
マルチキャスト使用 | 使用(224.0.0.9) | 使用(224.0.0.5など) |
更新方式 | 30秒ごとに定期送信 | トポロジ変化時にのみ通知 |
使用する情報 | ホップ数 | 帯域幅、遅延などのコスト |
スケーラビリティ | 小規模向け | 中~大規模向け |
このように、OSPFはより高度なネットワーク向けに設計されており、ネットワーク全体の構造を把握するためにリンク状態データベースを使用している点が、RIP-2との明確な違いです。