【ネットワークスペシャリスト試験 令和6年度 春期 午前Ⅱ 問19】

ネットワークスペシャリスト試験 令和6年度 春期 午前Ⅱ 問19

【出典:ネットワークスペシャリスト試験 令和6年度 春期 午前Ⅱ(一部、加工あり)】

 なりすましメール対策に関する記述のうち、適切なものはどれか。

ア DMARCでは、”受信メールサーバが受信メールをなりすましと判定したとき、受信メールサーバは送信元メールサーバに当該メールを送り返す”、というDMARCポリシーを設定できる。
イ IP25Bでは、ISPが自社の受信メールサーバから他社ISPの動的IPアドレスの25番ポートへの接続をブロックする。
ウ S/MIMEでは、電子メール送信者は、自身の公開鍵を使ってデジタル署名を生成し、送信する電子メールに付与する。電子メール受信者は、電子メール送信者の秘密鍵を使ってデジタル署名を検証する。
エ SPFでは、ドメインのDNSで、そのドメインを送信元とする電子メールの送信に用いてもよいメールサーバのIPアドレスをSPFレコードにあらかじめ記述しておく。

エ SPFでは、ドメインのDNSで、そのドメインを送信元とする電子メールの送信に用いてもよいメールサーバのIPアドレスをSPFレコードにあらかじめ記述しておく。

  • SPF(Sender Policy Framework)は、なりすまし送信の防止策として、DNSに設定することで、「このドメインからメールを送ってよいIPアドレス(またはホスト)」を受信側が確認できる仕組みです。
  • 送信元IPがSPFレコードに記述されたIPと一致していないと、なりすましと判定されることがあります。
  • DNSのTXTレコードにSPF情報が記載されます。

 その他の選択肢は以下のとおりです。

  • 「ア DMARCでは、”受信メールサーバが受信メールをなりすましと判定したとき、受信メールサーバは送信元メールサーバに当該メールを送り返す”、というDMARCポリシーを設定できる。」
    DMARC(Domain-based Message Authentication, Reporting, and Conformance)は、SPFやDKIMの検証結果に基づいて、受信メールサーバが受信メールをどう処理すべきか(例:拒否、隔離、許可)をドメイン管理者がポリシーとして指定できる仕組みです。
    DMARCでは、次のようなポリシーを設定できます。
    • none(何もしない)
    • quarantine(隔離)
    • reject(拒否)
  • 「イ IP25Bでは、ISPが自社の受信メールサーバから他社ISPの動的IPアドレスの25番ポートへの接続をブロックする。」
    IP25B(Outbound Port 25 Blocking)は、スパムメールの送信を防ぐ目的で行われる対策です。
    ISPが、自社の契約者(特に動的IPアドレスの利用者)から外部(他社など)のSMTPサーバへの TCP ポート25番の接続を制限または遮断するものです。
  • 「ウ S/MIMEでは、電子メール送信者は、自身の公開鍵を使ってデジタル署名を生成し、送信する電子メールに付与する。電子メール受信者は、電子メール送信者の秘密鍵を使ってデジタル署名を検証する。」
    S/MIME(Secure/Multipurpose Internet Mail Extensions)は、電子メールの暗号化と署名のための規格です。
    デジタル署名の作成には送信者の秘密鍵を使用し、署名の検証には送信者の公開鍵を使用します。