【ネットワークスペシャリスト試験 令和6年度 春期 午前Ⅱ 問10】
ネットワークスペシャリスト試験 令和6年度 春期 午前Ⅱ 問10
【出典:ネットワークスペシャリスト試験 令和6年度 春期 午前Ⅱ(一部、加工あり)】
インターネットプロトコルのTCPとUDP両方のヘッダーに存在するものはどれか。
ア 宛先IPアドレス
イ 宛先MACアドレス
ウ 生存時間
エ 送信元ポート番号
エ 送信元ポート番号
TCP(Transmission Control Protocol)とUDP(User Datagram Protocol)は、インターネット上でデータを送受信するための主要な通信プロトコルです。
それぞれの特徴や用途には明確な違いがあります。
特徴 | TCP | UDP |
---|---|---|
信頼性 | 高い(データの順序・完全性を保証) | 低い(保証しない) |
接続方式 | 接続指向(コネクション型) | 非接続指向(コネクションレス型) |
データ再送 | あり(エラー時は再送) | なし |
データ順序 | 保証される | 保証されない |
速度 | 遅い(オーバーヘッドが大きい) | 速い(オーバーヘッドが小さい) |
主な用途 | Web閲覧、メール、ファイル転送など | ゲーム、ストリーミング、VoIP、DNSなど |
TCPヘッダーは、通信の信頼性や制御のために多くの情報を含み、最小20バイト(オプションなし)、最大60バイト(オプション含む)です。
UDPヘッダーは非常にシンプルで、固定8バイトです。
フィールド | TCPヘッダー | UDPヘッダー |
---|---|---|
送信元ポート | 16ビット | 16ビット |
宛先ポート | 16ビット | 16ビット |
シーケンス番号 | 32ビット | なし |
確認応答番号 | 32ビット | なし |
データオフセット | 4ビット | なし |
予約領域 | 3ビット | なし |
制御フラグ | 最大9ビット | なし |
ウィンドウサイズ | 16ビット | なし |
チェックサム | 16ビット | 16ビット |
緊急ポインタ | 16ビット | なし |
オプション | 0〜40バイト | なし |
データ長 | なし(IPヘッダーで管理) | 16ビット |
最小ヘッダーサイズ | 20バイト | 8バイト |
他の選択肢については以下のとおりです。
- 「ア 宛先IPアドレス」
これはIPヘッダーに含まれる情報であり、TCPやUDPのヘッダーには含まれません。 - 「イ 宛先MACアドレス」
これはデータリンク層(イーサネットなど)の情報であり、TCPやUDPのヘッダーには含まれません。 - 「ウ 生存時間」
生存時間(TTL: Time To Live)は、IPヘッダーに含まれるフィールドであり、TCPやUDPヘッダーには存在しません。