IPv6
IPv6の特徴、過去問例です。
特徴
- IPv4の後継となる規格。アドレス利用数の拡張や転送効率の向上、セキュリティ機能の強化が行われているが、IPv4との互換性がほぼないため普及が進まない。
- IPv6のアドレス空間は128ビット。IPv4の32ビットから拡張している。IPv4では232で約42億個、IPv6では2128で約340澗(かん)のアドレスを利用できる。
- 16ビットごとに16進数で表現
- ヘッダ構成を基本ヘッダと拡張ヘッダに分離
- ヘッダチェックサムを廃止(ルータの中継処理の負荷が低減される)
- IPv6ホストがルータ要請メッセージ(Router Solicitation Message)を送信し、ルータからルータ広告メッセージ(Router Advertisement Message)を受信することで、自身のIPアドレスを自動設定できる(IPアドレス自動設定機能)
過去問
平成29年度秋期ネットワークスペシャリスト試験
IPv6のIPアドレスに関する記述のうち、適切なものはどれか。
【出典:ネットワークスペシャリスト試験 平成29年度 秋期 午前2 問8】
ア IPv4に比べてアドレスフィールドが拡張されたので、ルータでの中継処理の遅延が増加する。
イ IPアドレスは10進数を用いる表記が推奨されている。
ウ 上位96ビットを全て1としたアドレスはIPv4射影アドレスとして使用される。
エ ホストはルータからの情報によって自分のIPアドレスを自動設定できる。
https://www.jitec.ipa.go.jp/1_04hanni_sukiru/mondai_kaitou_2017h29_2/2017h29a_nw_am2_qs.pdf
ア IPv4に比べてアドレスフィールドが拡張されたので、ルータでの中継処理の遅延が増加する。:アドレスフィールドが32ビットから128ビットに拡張されたことは正しいのですが、ルータでの中継処理の遅延は減少します。これは、IPv6のヘッダ構成が基本ヘッダと拡張ヘッダに分離されたことやヘッダチェックサムフィールドが廃止されたことで、ルータの中継処理を低減することが可能になったからです。
イ IPアドレスは10進数を用いる表記が推奨されている。:16進数による表記が推奨されています。(128ビットを16ビットごとに16進数で表現)
ウ 上位96ビットを全て1としたアドレスはIPv4射影アドレスとして使用される。:IPv4射影アドレスとは、IPv4アドレスをIPv6アドレスとして表現したものです。上位80ビットを0、81〜96ビットを1とし、下位32ビットにIPv4アドレスを埋め込んで表現します。
エ ホストはルータからの情報によって自分のIPアドレスを自動設定できる。:正解です。