OpenFlow

特徴

  • OpenFlowとは、SDN(Software-Defined Networking)で利用されるネットワーク機器を制御するためのプロトコルのこと
  • 2011年、業界団体のONF(Open Networking Foundation)により標準仕様がリリース
  • 従来のネットワーク機器がもつ制御処理と転送処理を分離するSDNにおいて、OpenFlowは、制御処理を担うOpenFlowコントローラと、転送処理を担うOpenFlowスイッチ間の通信に用いられる
  • OpenFlowにより、ネットワーク機器ごとの設定範囲の制約をなくし、ネットワーク管理者が柔軟にネットワーク構成を変更できたり、複雑な転送制御を行うことが可能となる
  • OpenFlowコントローラでフローテーブルを作成し、OpenFlowスイッチに配送、OpenFlowスイッチではフローテーブルに基づいてデータの転送、破棄などを行う。
  • フローテーブルには、レイヤ1(物理層)からレイヤ4(トランスポート層)の情報を定義でき、各情報を組み合わせて条件を指定できる。
  • OpenFlowプロトコルは、OpenFlowコントローラ(OFC)とOpenFlowスイッチ(OFS)との間でメッセージの交換を行うためのプロトコルのこと
  • OFCとOFSとのメッセージ交換には、信頼性や安全性を確保するためにTCPやTLSを使用する。

過去問

ネットワークスペシャリスト試験 令和元年度 秋期

【出典:ネットワークスペシャリスト試験 令和元年度 秋期 午前2 問12(一部、加工あり)】

OpenFlowプロトコルを使用するSDN(Software-Defined Networking)において、コントローラとOpenFlowスイッチ間の通信に関する記述として、適切なものはどれか。

  1. オーバヘッドを避けるためにUDPやTCPは使用せずIPを直接使用する。
    →信頼性や安全性を確保するため、IPを直接使用することはありません。
  2. 信頼性や安全性を確保するためにTCPやTLSを使用する。
    →正解です。
  3. パラレル伝送を行うためにSANで利用されるファイバチャネル上のSCSIを使用する。
    →パラレル伝送は行いません。
  4. リアルタイム性に関する要求を満たすためにUDPを使用する。
    →UDPではなく、TCPやTLSを使用します。

ネットワークスペシャリスト試験 平成29年度 秋期

【出典:ネットワークスペシャリスト試験 平成29年度 秋期 午前2 問13(一部、加工あり)】

SDN(Software-Defined Networking)で利用されるOpenFlowプロトコルの説明として、適切なものはどれか。ここで、ネットワーク機器はOpenFlowに対応しているものとする。

  1. ネットワーク機器の制御のためのプロトコルであり、ネットワーク機器のフローテーブルの情報をコントローラから提供するときに使用される。
    →正解です。
  2. ネットワークの構成管理や性能管理のためのプロトコルであり、管理マネージャと呼ばれるプログラムがネットワーク機器のMIBを取得するときに使用される。
    →SNMP(Simple Network Management Protocol)のことです。
  3. ネットワークのトラフィックを分析するためのプロトコルであり、フロー(IPアドレスやポート番号の組合せ)ごとの統計情報を、ネットワーク機器がコレクタと呼ばれるサーバに送信するときに使用される。
    →IPFIX(Internet Protocol Flow Information Export)のことです。
  4. レイヤ2の冗長化のためのプロトコルであり、ネットワーク機器がループを検知するときや障害時の迂回ルートを決定するときなどに、ネットワーク機器間の通信に使用される。
    →STP(Spannning Tree Protocol)のことです。