衝突発見困難性
特徴
- 衝突発見困難性は、ハッシュ値に関する指標の一つで、ハッシュ値が一致する二つの元データの探索に要する計算量が大きいことによる探索の困難性のこと
- ハッシュ値とは、元のデータからある計算式によって得られる固定長の値のことで、この計算式のことをハッシュ関数という。
- ハッシュ値の特徴として、ハッシュ値から元のデータを求めることはできないことが挙げられ、これを不可逆であるという。この特徴のため、暗号や認証、改ざんされていないことの確認のために、元のデータとハッシュ値を送信してハッシュ値が同じかどうかで判断するなどで利用されている。
- ハッシュ関数に求められる性質として、同じハッシュ値となる二つの異なる元データを見つけにくいということが挙げられる。なぜなら、同じハッシュ値となる元データが発見されると、ハッシュ値を用いても元のデータが改ざんされたものなのか判断できなくなるからである。
- 衝突発見困難性が高いハッシュ関数ほど、セキュリティレベルが高いことになる。
- ハッシュ値がnビットの場合、衝突発見困難性である計算量は2n/2である。SHA-256(←ハッシュ値が256ビット)では、2128である。
過去問
情報処理安全確保支援士試験 令和3年度 春期 午前2 問3
情報処理安全確保支援士試験 平成29年度 秋期 午前2 問4
【出典:情報処理安全確保支援士試験 令和3年度 春期 午前2 問3(一部、加工あり)】
【出典:情報処理安全確保支援士試験 平成29年度 秋期 午前2 問2(一部、加工あり)】
ハッシュ関数の性質の一つである衝突発見困難性に関する記述のうち、適切なものはどれか。
- SHA-256の衝突発見困難性を示す、ハッシュ値が一致する二つのメッセージの発見に要する最大の計算量は、256の2乗である。
→ハッシュ値がnビットの場合、衝突発見困難性である計算量は2n/2であり、SHA-256(←ハッシュ値が256ビット)では、2128となります。 - SHA-256の衝突発見困難性を示す、ハッシュ値の元のメッセージの発見に要する最大の計算量は、256の2乗である。
→ハッシュ値の元のメッセージの発見が困難であることは現像計算困難性が該当します。 - 衝突発見困難性とは、ハッシュ値が与えられたときに、元のメッセージの発見に要する計算量が大きいことによる、発見の困難性のことである。
→現像計算困難性の説明です。 - 衝突発見困難性とは、ハッシュ値が一致する二つのメッセージの発見に要する計算量が大きいことによる、発見の困難性のことである。
→正解