【ネットワークスペシャリスト試験 令和6年度 春期 午前Ⅱ 問15】

ネットワークスペシャリスト試験 令和6年度 春期 午前Ⅱ 問15

【出典:ネットワークスペシャリスト試験 令和6年度 春期 午前Ⅱ(一部、加工あり)】

 IP電話の音声品質を表す指標のうち、ノイズ、エコー、遅延などから算出されるものはどれか。

ア MOS値
イ R値
ウ ジッタ
エ パケット損失率

イ R値

  • R値(Transmission Rating Factor)は、ITU-Tが定める「Eモデル」によって算出される、音声品質の定量的な指標で、ノイズ、エコー、遅延、パケットロスなどの要素をすべて加味して算出されます。
  • 値の範囲は「0~100」で、100に近いほど品質が良い。
  • MOS値と対応づけることも可能で、客観的な音声品質指標として利用される。

 その他の選択肢は以下のとおりです。

  • 「ア MOS値」
    • MOS値(Mean Opinion Score)は主観的な音声品質の評価指標であり、実際の人間が聞いて評価した音声の品質を「1(悪い)~5(良い)」でスコア化する。
    • 品質評価には便利だが、「人の感覚」に基づいているため客観的な算出には不向き
    • ノイズ・エコー・遅延の影響は含まれるが、それらを元に算出されるのではなく、結果として人が評価する。
  • 「ウ ジッタ」
    • ジッタ(Jitter)はパケットの到着時間の揺らぎのこと。
    • 音声パケットの到着間隔がばらつくことで、音声の乱れや遅延が発生する。
    • 音声品質に影響を与えるが、ジッタ単体では総合的な品質評価はできない
  • 「エ パケット損失率」
    • パケット損失率は、IP電話で使用されるパケットが途中で失われる割合のことで、音声の途切れや聞き取りにくさの原因となる。
    • 音声品質に影響するが、単独の評価指標ではない
  • MOS値=主観評価」、「R値=客観評価(Eモデル)」という対比を覚えておく。
  • R値は品質に影響する複数の要因を数値的に分析するため、IP電話などネットワーク品質設計での評価に重要
  • R値とMOS値の関係は以下のとおり

R値の範囲MOS値の目安品質の評価
90~1004.3~4.5非常に良い
80~894.0~4.3良い
70~793.6~4.0普通
60~693.1~3.6やや悪い
~59~3.1悪い