【ネットワークスペシャリスト試験 令和6年度 春期 午前Ⅱ 問6】
ネットワークスペシャリスト試験 令和6年度 春期 午前Ⅱ 問6
【出典:ネットワークスペシャリスト試験 令和6年度 春期 午前Ⅱ(一部、加工あり)】
IPv4におけるARPのMACアドレス解決機能をIPv6で実現するプロトコルはどれか。
ア DHCPv6
イ ICMPv6
ウ IGMPv6
エ RIPng
この問題は、「IPv4のARPに相当する機能をIPv6ではどのプロトコルが担っているか?」という点を問う基本的かつ重要な内容です。
イ ICMPv6
- IPv6では、ARPの代わりにICMPv6(Internet Control Message Protocol for IPv6)に含まれるNeighbor Discovery Protocol(NDP)がMACアドレス解決を行います。
- IPv6ネットワークにおける、IPアドレスから対応するMACアドレスを得る機能は、Neighbor SolicitationとNeighbor Advertisementメッセージで実現されます。これはICMPv6の機能です。
- つまり、IPv6におけるARPの代替機能は、ICMPv6(のNDP機能)によって実現されているのです。
- 補足として、試験対策では「IPv6ではARPがない → ICMPv6が代わりにNDPで解決する」と覚えるのが効果的です。
- 「ア DHCPv6」
DHCPv6(Dynamic Host Configuration Protocol for IPv6)は、IPv6アドレスやDNSサーバの情報など、ホストの設定情報を自動的に配布するためのプロトコルです。ARPに相当する機能(MACアドレスの解決)は担当しません。 - 「ウ IGMPv6」
IGMP(Internet Group Management Protocol)はIPv4のマルチキャストグループの管理に使われるもので、IPv6では使用されません。IPv6ではこれに相当するのはMLD(Multicast Listener Discovery)です。ARPとは無関係です。 - 「エ RIPng」
RIPng(Routing Information Protocol next generation)は、IPv6対応の経路制御プロトコルです。ルーティング情報の交換には関係しますが、MACアドレスの解決には使われません。